Q: 現在のお仕事の内容を教えてください。
私たちの会社は、主に建築事業を手掛けています。具体的には、店舗、住宅、工場、倉庫の新築や増改築、リフォームまで幅広く対応しています。施工管理がメインで、建物の企画から設計・施工まで一貫して行います。私が2代目として会社を引き継ぎ、先代が設立した会社の足場工事メインの事業を、現在は総合的な建築工事へとシフトしました。
修行として、私は他の建設会社で2社ほど働き、経験を積んできました。現在は私が経営し、建設業における様々なプロジェクトを管理しています。
また、別事業として図書館の運営受託も行っています。公共図書館の本の貸し出しや管理、学校図書館との連携を図りながら、子供たちへの読み聞かせや、学校の授業で本を活用する企画なども実施しています。私自身がPTA会長を務める中で、学校や地域とのつながりが深まり、新しい事業として図書館運営に取り組むことになりました。
さらに、中和工建の関連会社である中和コーポレーションでは、不動産事業、農業事業、そしてゴルフアパレルの運営も行っています。農業事業では、地元の農家を支援する取り組みを行っており、ゴルフアパレルは銀座に2店舗を構え、特別な顧客層に向けたサービスを提供しています。
Q: アパレル事業を始めたきっかけは何ですか?
私自身がゴルフ好きで、15年前から通っていたブランドショップがアメリカに引き上げるという話を聞き、それをきっかけに自分で店舗を引き継ぐことにしました。日本には2社しか取引がないブランドであり、珍しいことから話題性もありました。また、自分がヘビーユーザーだったことも大きな動機でした。
このアパレル事業は現在7年目で、非常に順調です。私たちの戦略は、欲しい人だけが来店するという限定感を大切にしており、ネット販売は行っていません。実際にお店に足を運んでもらうことで、他にはない特別な体験を提供することを目指しています。特に、店長との交流や、店内のレイアウト、写真撮影を楽しむお客様も多く、SNSでの口コミ効果を活かしています。裏事情として、場所を分かりづらくすることで家賃を抑えるという経営戦略もありますが、それを感じさせないブランドイメージを構築しています。
Q: 仕事上で困っていることは何ですか?
一番の問題は、建設業界全体での技術者の減少です。私たちは一般的な建設業ではなく、困ったときに頼られる「中和工建」として、特に高い技術力が求められる仕事を多く手掛けています。しかし、技術者が少ないため、今は現状のメンバーで対応できる仕事に絞っています。技術者の育成も進めていますが、すぐに解決できる問題ではないため、引き続き課題となっています。
Q: どうやって営業をされていますか?
営業は基本的に自分で調べて、逆アプローチをかけるスタイルです。たとえば、行ってみたいプロジェクトがあれば、その案件を調査し、自分たちがどう関わっていけるかを考え、提案を持ち込みます。この手法で多くの仕事を得てきました。大きなプロジェクトにも参加しており、遮熱工事など、専門的な分野でも全国対応しています。
Q: 会社を引き継ぐ際にプレッシャーはありましたか?
正直なところ、プレッシャーはあまり感じませんでした。30歳で会社を引き継いだ際、数千万の借金がありましたが、根拠のない自信があったのです。もともと、1社目では非常に技術力が求められる仕事に取り組んでおり、2社目では防衛省の公共事業に携わっていました。大規模なプロジェクトも任されていたため、「どんな状況でも乗り越えられる」という自信がありました。借金があったとしても、それをクリアできると確信していました。
Q: 会社の危機について教えてください。
一番厳しかったのは、ゼネコンとの仕事で手形を受け取っていた時です。手形取引にこだわり過ぎたため、現金が回らないことがあり、口座に100万円しかないときもありました。ただ、手形取引は銀行からの信用を得るために重要だったので、あえて選んでいましたが、資金繰りに苦労しました。倒産寸前になったこともありますが、経営者としての未熟さを痛感し、解決策を探し続け、乗り越えてきました。
Q: リフレッシュの方法は何ですか?
リフレッシュのためにゴルフをしています。1人でゴルフに行き、知らない人とラウンドすることも多いですし、仕事の付き合いでプレーすることもあります。私が26歳の時に、奥さんのお父さんがゴルフをしていて、それがきっかけで米軍基地で初めてゴルフを体験しました。それ以来、ゴルフを通じていろいろな人とつながり、時にはビジネスに発展することもあります。
Q: 学生へのアドバイスはありますか?
学生時代は両親にお金を払ってもらって学校に通っていますが、社会人になると自分の労働を会社に買ってもらうという意識が大切です。「働かされている」という感覚ではなく、自分の行動が成果に繋がり、顧客から感謝されるという実感を持ってほしいです。また、言われたことだけをやるのではなく、自分で考えて行動し、わからないことは質問することが成長につながります。さらに、コミュニケーションツールとしてゴルフをするのも、社会に出る前に役立つスキルだと思います。
Q: 今後の展望について教えてください。
会社を3倍以上の規模に成長させたいと考えています。私は今50歳ですので、15年後には代替わりを視野に入れています。そのため、早いうちに後継者を見つけ、教育を始めたいと思っています。会社が大きくなることで、従業員同士が切磋琢磨し、競争の中で成長する社員が出てくるような体制を作りたいです。